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- 日本公開
- 2017年
- 原題
- 『The Purge: Election Year』
- 時間
- 109分
- 監督
- ジェームズ・デモナコ
- 主要キャスト
- フランク・グリロ/エリザベス・ミッチェル/ミケルティ・ウィリアムソン/ジョセフ・ジュリアン・ソリア/ベッティ・ガブリエル/テリー・セルピコ/エドウィン・ホッジ/カイル・セコー/レイモンド・J・バリー
※以下ではネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください!
予告動画
『パージ』『パージ:アナーキー』に続くシリーズ第3弾。
1.2作目は主に個人レベルでのパージに焦点を当てていましたが、今作ではパージ推進派とパージ反対派の政党との争いという国家レベルまでスケールアップ。
これがまぁ面白かった、シリーズを重ねるごとにその面白さを増していきます。
第2弾の『パージ:アナーキー』で復讐を果たそうとした警官のレオが本作の主人公となるのですが今度はボディーガードに転職し、パージが行われる12時間命がけで上院議員を守り抜きます。
サスペンスホラー映画『パージ:大統領令』です。


映画【パージ:大統領令】の簡単なあらすじ
新しい建国の父、通称NFFAが政権を握ってから25年目の節目となる年、アメリカではパージ開始の2日前に大統領選を控えていた。
パージ反対派の上院議員チャーリー・ローンは真っ先にパージの対象となる貧困層からの支持を集め台頭してくるが、それをよく思わなかったのが対抗馬のエドウィッジ・オーウェンズ牧師を始めとしたNFFA側の人間たち。
彼女が大統領に当選すれば自分たちの利益が脅かされるためNFFAは『パージが金持ちを優遇している』という批判の声を逆手に取り、それまで守られていたランク10までの要人もパージの対象に含むことを決定する。これによりNFFAはパージの日に議員を合法的に殺害しようと目論んだ。
そんな刺客を送られ命を狙われる議員を守るのは警官から彼女のボディーガードに転職したレオ・バーンズ、彼は議員の家に厳重な警備体制を敷き万全を期してパージに臨む。
そしてアメリカの未来を左右する運命の12時間が幕を開けるのであった…
過去最高にバラエティに富んだパージャーたち
パージシリーズでは様々な仮面で素顔を隠した不気味で格好良い姿の犯罪者(パージャー)が登場しますが、本作ではシリーズの中で最もバラエティに富んでいます。
JKパージャー
『パージ:大統領令』を代表するパージャーとしてまず挙げられるのが女子高生のパージャー、チョコバーを万引きしようとしたところを店員に見付かり、注意を受けた事に腹を立て店に復讐にやってきます。
©2017 The Purge: Election Year/パージ:大統領令より引用
ただチョコバーを食べたいがためにパージに参加するという中々のクレイジーっぷり、車もライトでピカピカに装飾して単にノリで参加しているような感じが笑えました。
店を守っていた店員に打たれて一度は退散するものの今度は今度は仲間を引き連れて戻ってくるという凄まじい執着心、食べ物の恨みは恐ろしや…
個人的にはJKパージャーよりも彼女達が連れてきた電ノコを振り回すブタのパージャーがいい味を出していて好きです。
©2017 The Purge: Election Year/パージ:大統領令より引用
アメリカンパージャー
JKパージャーと並び印象的なのが自由の女神、リンカーン、アンクル・サムなどアメリカを象徴する人物などを模したパージャーたち。
©2017 The Purge: Election Year/パージ:大統領令より引用
何とも言えない不気味さを醸し出しジャケットを大々的に飾っていますが、2作目の『パージ:アナーキー』同様にチョイ役としてでしか登場しません。
どちらかというと出番はJKパージャーの方が多いです。脇役をジャケットに大きく取り上げるのは少し疑問に残りますが、これらの奇抜なパージャーはパージシリーズの代名詞ともいえるのでこれはこれでありなのかもしれません。
パージよって生まれた新たなビジネス
NFFAが政権を握ってから長い間パージが行われていたのですが、気付けばその間にアメリカでは様々なビジネスが誕生しました。
殺人ツーリズム
直訳すると殺人観光。
自国で殺人などをすれば即刻捕まりますが、パージの時だけは無罪放免になるので暴力衝動を吐き出したい外国人はパージが開催される時を狙ってアメリカにやってきます。
パージが訪米外国人を増やす一員になっているって何だか凄い話です、それで武器が売れたりパージに関する産業が儲かったりと間接的にアメリカに経済効果をもたらしているのです。
©2017 The Purge: Election Year/パージ:大統領令より引用
パージャーが身に付けるような仮面なんて普段であればお祭りやパーティぐらいでしか使い道がないので店員のおっちゃんは「パージは大人のハロウィン」とこじつけ、にんまりとした笑顔で仮面を売りさばいてました。
確かにパージは1年の内に1晩しかないので特別なイベントではあるといえますが、全ての犯罪が合法となるゾッとするような法律も金儲けに結び付けるおっちゃんの商売人魂には感服です。
パージ衛生サービス
パージが行われている間は警察や消防など全て行政サービスが停止されるため、街のあちこちに亡骸が転がっています。
そこに目を付けたのが”パージ衛生サービス”というもの、遺体の収集から廃棄までを一任して行うまさしくパージ専門ともいえるこのサービスは仮面を売るおっちゃんよりも露骨です。
©2017 The Purge: Election Year/パージ:大統領令より引用
「た~けや~、さおだけ~」
ただこんな感じのノリで遺体収集しますよって街を練り歩いていたのには少し笑っちゃいました。
何だかんだでギャングがやっぱり強い
レオがパージの間 上院議員であるローンを守る中で彼に協力する仲間が登場するのですが、その人物が一様にして心強い。
©2017 The Purge: Election Year/パージ:大統領令より引用
一番右がJKパージャーに狙われた店の店主であるジョー、左がジョーの店で働くマルコス、そして真ん中の紅一点がレイニー。この3人に共通しているのは全員元ワルだということ。
それぞれに見せ場がありレオたちを窮地から救ってくれます。
そして個人的に一番格好良かったのがレイニー。昔は伝説のギャングと呼ばれるほど恐れられる存在だったのですが、更生した彼女はパージの夜に負傷した人たちを見付けては治療を施します。
そしてジョーから店が襲撃を受けたという連絡を受ければすぐさま駆け付け、何の躊躇いも無しに乗っているバンでJKパージャーを轢いて残りのパージャーたちも容赦なくショットガンを打ち込みます。
(本当に更生したの…?)というツッコミは置いといて、JKパージャーを一網打尽する男勝りのレイニーさんに痺れること間違い無しです。
映画【パージ:大統領令】の感想を簡潔に

パージャーの種類は過去最大級で盛り沢山、過去2作に比べてイラつかせる人物もほとんど出てこず終始ドキドキハラハラしっぱなしでした!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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