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- 公開
- 2016年
- 原題
- 『En man som heter Ove』
- 時間
- 115分
- 監督
- ハンネス・ホルム
- 主要キャスト
- ロルフ・ラスゴード/イーダ・エングヴォル/バハー・パール/フィリップ・バーグ
※以下ではネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください!
予告動画
本作品は世界の幸福度ランキングで常に上位にランクインしている北欧スウェーデンで制作されたものとなっております。
主人公である老害レベルのおじいちゃん(といってもまだ60手前)に序盤はあまりいい気はしませんが、ストーリーが進むにつれそのおじいちゃんに少しずつ変化が見られて最後は少しホロッとさせてくれるような中々の良作でした。
妻に先立たれ孤独になったおじいちゃんと近隣住民との触れ合いを描いたヒューマンドラマ『幸せなひとりぼっち』です。
映画【幸せなひとりぼっち】の簡単なあらすじ
長年連れ添った最愛の妻であるソーニャを亡くし40年以上務めた鉄道会社もクビになってしまったオーヴェは生きる希望を無くしていた。
近隣住民からも煙たがられ現世に未練の無くなったオーヴェはソーニャの元へ向かうことを決め、着々と準備を進める。
首を吊るため頑丈なロープを購入しソーニャの元へ行くので綺麗なスーツに身を包むと、家の天井に取り付けたフックにロープを掛け自らの首に通して自殺を図るオーヴェ。
首元を締め付けていくロープに少しずつ意識が遠のいてきたが、ふと外に目をやるとそこには見慣れない1台の車が。
敷地内は車の侵入が禁止されておりかつて町内の自治会長を務めていたことから規則に厳しいオーヴェはこの違反を見過ごすことができなくなり、一旦自殺を中断すると運転手たちに注意をしに行く。
車の中に乗っていたのは向かい側の家に越してきたイラン系移民であるパルヴァネとその家族、運転の苦手な旦那が家のポストに衝突したことに腹を立てたオーヴェは代わりに車を移動させる。
自殺する気が失せたオーヴェだったが日を改めた翌日、気を取り直して再び自殺を図ろうとするが今度はインターホンが鳴ったことで再度阻まれてしまう。
何度もなるインターホンに耐え切れず怒鳴りつけようと扉を開けるとそこにいたのは昨日越してきたパルヴァネと2人の子ども、昨日のお礼にと食事を持ってきたのだ。
ここからオーヴェは図らずともパルヴァネ一家と関わりを持っていくことになる…
老害は万国共通?
日本では老害といわれる迷惑な老人がいますが、そのような老人は日本だけでなく世界中にいるようです。
本作の主人公であるオーヴェも還暦間際で老人と呼ぶにはまだ少し早いかもしれませんが、融通が利かず口うるさく何か悪さをしていないかと近隣住民を監視する様は若者が思う老害像にピッタリと当てはまります。
©2016 En man som heter Ove/幸せなひとりぼっちより引用
日本にもこういう老人いますよね。
こういうポーズとかハンチング帽とか偉そうな態度とか…とにかくムカつかせるような要素をオーヴェは兼ね備えていて、近隣住民もうんざりしています。
明かされるオーヴェの過去
しかし「うわ~、やだなぁこの主人公」と思うのも序盤だけ、オーヴェが自殺を図るたびに走馬灯のように浮かび上がってくる彼の過去を垣間見ることでその気持ちは薄らいでいきます。
しかも自殺しようとするたびに何かしらの邪魔(主にパルヴァネ一家)が入るので死ぬに死に切れず、結局何度も走馬灯を見ることになるというクスッと笑えるようなコメディ要素も随所に散りばめられていおります。
なので終始暗いストーリーという訳ではありません。
なによりこのオーヴェの走馬灯が物語において大きな役割を果たしています。
- なぜオーヴェはこれほどまでにルールにうるさいのか
- 頑固者であるオーヴェが惚れ込んだ妻であるソーニャとは一体どのような人物だったのか
これらが走馬灯の中で次第に明らかになっていき、彼の過去を知れば知るほど物語は面白くなっていきます。
©2016 En man som heter Ove/幸せなひとりぼっちより引用
©2016 En man som heter Ove/幸せなひとりぼっちより引用
個性豊かな住民たち
一癖も二癖もあるオーヴェの周りには、彼に負けないくらい個性的な住人たちが登場します。
パルヴァネ一家
オーヴェの向かいに越してきた家族、本作では一番オーヴェとの絡みがある人たちとなります。
肝っ玉母さんのような物怖じせずいつも明るいパルヴァネに少し頼りない旦那さん、そして2人の女の子姉妹の4人家族で物静かなオーヴェとは対照的で賑やかな家庭です。
初めは煩わしさを感じ避けようとしていたオーヴェでしたが、気にする素振りを全く見せないパルヴァネとなぜかオーヴェに懐く子どもたちに次第にオーヴェも心を開いていきます。
©2016 En man som heter Ove/幸せなひとりぼっちより引用
終盤は本当のおじいちゃんになったかのように2人の面倒を見るオーヴェにはほっこりさせられます。
ルネ
かつては自治会長と副会長という関係であり、また数少ない友人でもあったオーヴェとルネ。
ひょんなことからすれ違いが生まれ近頃はまともな会話すら交わしていませんでした、というよりもまともに会話するのが困難であるといった方が正しいかもしれません。
というのも現在ルネは病に侵されており、1人で動くこともコミュニケーションを取ることも難しい状態なのです。
©2016 En man som heter Ove/幸せなひとりぼっちより引用
以前ルネの奥さんに貸していたホースを返してもらおうと家を訪ねた際に半植物状態のルネに向かい「自分は自殺する」とポツリこぼすオーヴェ。
どうせ言ったところで反応しないだろうと考えていていたのですが、去り際に返してもらったロープを掴んでオーヴェを引き留めようとするのはまさかのルネ。
驚いたオーヴェは慌てて振りほどきますが、死にゆこうとする友人を何もしないまま見送るわけにはいかないとほとんど動くことのできないルネが小さな奇跡を起こします。
このシーンは少しグッときました。
猫ちゃん
オーヴェの家の近くに住み着いた野良猫、どんなにオーヴェが追い払おうとしても気にする素振り1つ見せません。
ある日怪我をしていたところをパルヴァネに発見されオーヴェの家で治療して以降、彼の家で飼うことになります。
©2016 En man som heter Ove/幸せなひとりぼっちより引用
初めは嫌々だったオーヴェも何だかんだで猫ちゃんとの生活を楽しむようになり、猫ちゃんもそんなオーヴェに寄り添います。
同じ青い目をしていることから心なしか猫ちゃんはソーニャの生まれ変わりなのではないかと思ってしまいました、とにもかくにも本作で外すことのできない愛くるしい脇役です。
映画【幸せなひとりぼっち】の感想を簡潔に

オーヴェが段々と可愛らしく見えてくる心温まる作品。
ひとりぼっちだけどひとりぼっちじゃないラストにはウルッときました!
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