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- 公開
- 2006年
- 日本…劇場未公開
- 原題
- 『黒拳』
- 時間
- 106分
- 監督
- デニス・ロー
- 主要キャスト
- ウー・ジン/ミキ・ヨン/ロナルド・チェン/チョン・シウファイ/ラム・シュー/テレサ・フー/ロー・ワイコン/アンディ・オン/ティミー・ハン/谷垣健治
※以下ではネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください!
予告動画
ウー・ジンという人物、ジャッキー・チェンやジェット・リーの後継者と巷では言われているようですが僕はこの映画で存在を知りました。
後継者と言われるだけあり本作でのアクションも舌を巻き「うおー、すげー」と自然と言葉が漏れました。
カンフーの大会で優勝するほどの実力を持つ京劇の劇団員がひょんなことから闇ボクシングの世界に身を投じていくアクション映画、『拳陣 FATAL CONTACT』です。
映画【拳陣 FATAL CONTACT】の簡単なあらすじ
京劇の劇団員であるゴウゴンは、同時にカンフーの全国大会で優勝するほどの実力を持ち合わせている人物でもあった。
ある日香港で公演を行うと終演後の楽屋に複数の人物がゴウゴンの元を訪ねてくる、彼らは裏組織で活躍する男たちでゴウゴンの強さを聞きつけ闇ボクシングの勧誘にやってきたのだ。
勝っても負けても2万ドルを支払うと提案してきた男たちだったが、正義感の強く違法なことはやらないゴウゴンはきっぱりとその誘いを断る。
しかし彼らの話を密かに聞いていたゴウゴンの同僚であるシウティンが男たちの去り際に名刺を受け取っていた、小さな頃から貧しくこの現状から抜け出したいと考えていたシウティンはゴウゴンをそそのかし会いに行ってみないかと提案する。
断り切れないゴウゴンはシウティンと共に男たちの元へ行き約束通り2万ドル出すのならと試合に出場することになる。
男たちが見込んだ通り一瞬で対戦相手を倒したゴウゴンは翌週の対戦も引き受けてしまい、ここから闇ボクシングの世界へと身を投じていくこととなる…
可愛らしい笑顔からは想像できないほど強いゴウゴン
この映画の主人公であるゴウゴンは控えめな性格でいつもニコニコしているような可愛らしい青年なので、一見強そうには全く見えません。
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
しかし劇中では強敵がひしめく裏社会の対戦相手に一歩も引くことなく八百長でわざと負けた試合以外は全て勝利を収めるなど、優しそうな笑顔の裏にゴウゴンはとてつもない強さを秘めています。
余談ですが最初彼を見た時は松たか子の兄である松本幸四郎を思い出してしまいました、少し似ているような気がするんですよね…
タイトルに拳が入る割に足技の比率が高い
そんな可愛らしい笑顔とめちゃくちゃ強いゴウゴンのギャップが楽しめる本作ですが、タイトルと繰り出される技が微妙にマッチしません。
『拳陣 FATAL CONTACT』、原題は『黒拳』とどちらにも【拳】という字が使われていて闇ボクシングという名目のもとグローブはつけていますが、見せ場となる戦闘シーンではゴウゴンは足技をメインに戦っています。
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
比率でいうと7:3か6:4くらいで足技の方を使っていたのでそこがタイトルとミスマッチだなぁと少し思ったのですが、アクションのクオリティは申し分ないのでそこまで気になるほどではありません。
個人的に胸アツな出演陣
出演しているキャストが誰なのか全く知らないまま観始めた本作でしたが、意外にも僕の胸を熱くさせる人物が多く登場していました。
ウー・ジン
まずは主人公であるゴウゴンを演じたウー・ジン、最初の方でもお話しましたがジャッキーやジェット・リーの後継者と言われていることからそのアクションのキレは折り紙付き。
可愛らしい笑顔も相まって一目でファンになりました、他の作品も見てみようと思いました。
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
また本作の冒頭の裏組織の人物がゴウゴンを勧誘しに来るシーンでは上裸に京劇のメイクを施しているゴウゴンを見れるのですが、何とも滑稽な見た目で不覚にも笑ってしまいました。
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
少しオネエに見えて可愛かったです笑
ロー・ワイコン
ジャッキー好きの方なら聞いたことのある名前の人物かもしれないこちらの男性、見覚えのある方もいるのではないでしょうか?
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
こちらの男性は映画『酔拳2』でジャッキーと激闘を演じ私生活でもジャッキーのボディーガードを務めていたことでも有名であるロー・ワイコンです。
最初は彼がこの映画に出演していることは全く気が付かず出演者を調べている時にその存在を知りました。
そもそも自分の中でのロー・ワイコンは酔拳2のインテリメガネにスーツというイメージが強かったので、全く印象が違う本作の彼を見てもロー・ワイコンだとは思わず出演しているシーンも余裕でスルーしていました。
少し欲を言えば彼がウー・ジンと戦うシーンを観てみたかったです。
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ティミー・ハン
ゴウゴンが八百長をして負けた時の対戦相手である若手のギャングを演じた人物、誰かご存知でしょうか?
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
彼はティミー・ハンといい実はサモ・ハン・キンポーの息子さんでもあるのです。
出演シーンは終盤のごく一部なのであまり活躍はしません、ゴウゴンとの実力差は一目瞭然で八百長さえしなければ余裕でゴウゴンが勝っていたことでしょう。
そしてティミー・ハンのパパであるサモ・ハン・キンポーも『血戦 FATAL MOVE』という映画でウー・ジンと戦っています、こちらティミーと比べて白熱したバトルになっているので気になる方は観てみるといいかもしれません。
谷垣健治
実は本作には日本人の方も出演しております、それが谷垣健治というお方。
名前を聞いた方もいるかもしれませんが、彼は殺陣のシーンが圧巻な佐藤健主演の実写版『るろうに剣心』でアクション監督を行うなど、日本を代表するアクション監督の1人です。
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
本作ではグローブや靴に釘を仕込んでゴウゴンを血まみれにするなどちびまる子ちゃんの藤木君も顔負けの卑怯な手を使います。
そして実は谷垣さん、ロー・ワイコン同様に酔拳2にもエキストラとしてちょこっと出演しているので気になる方は探してみてください笑
ストーリーがちょっと微妙
アクション映画はやはりアクションに重きを置いているので、ストーリーがおろそかに思えて少し残念でした。
特にヒロインであるシウティンが全ての元凶でした。
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
可愛らしい顔をしてゴウゴンをそそのかして闇ボクシングに参加させた裏では勧誘に来た組織の人間の愛人になり、彼女の友人にも裕福な男性の愛人になるようアドバイスをしたにも関わらず友人が言う通りにしたらしたで嫌味をいう中々のクソっぷり。
昔から貧しくお金が欲しかったからとはいえ、何も知らずにシウティンに惹かれていくゴウゴンが可哀想で仕方ありませんでした。
そして一番報われなかったのはラスト。
八百長で怪我をして負けたゴウゴンのお見舞いに来たシウティン、何も知らないゴウゴンは感謝したり彼女への好意を伝えたりするがゴウゴンからのまっすぐな思いと組織との間で板挟みになり耐え切れなくなったシウティンは病室を出ていきそのまま投身自殺をしてしまいます。
シウティンの裏の顔や真実を知らずに好きだった人を突如失ってしまったゴウゴンは、組織が彼女に何かをしたに違いないと単身乗り込んでいきます。
1人でほぼ壊滅状態に追い込み残った人物から真相を聞き出すものの、彼女はそんな子じゃないと聞く耳を持たずナイフを振りかざしますが駆け付けた警察によりゴウゴンは射殺されてしまいます。
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
香港のアクション映画は結構暗めのものが多いですが、本作も例によって純粋なゴウゴンがシウティンの後を追うように死んでしまうという後味の悪いバッドエンドでした。
最後の最後で満天の星空の下、2人が楽し気に話す描写があったのが唯一の救いかもしれません。
しかし裏組織に関わることで特徴的だった笑顔が次第に減っていき、戦いに身を投じていく中で我を忘れたかのように鬼の形相を見せるようになっていくゴウゴン。
©2006 黒拳/拳陣 FATAL CONTACTより引用
自分の拳が少しずつ汚れていくその様は邦題の『拳陣 FATAL CONTACT』よりも原題の『黒拳』の方がしっくり来るなと思いました。
まぁでもFATAL CONTACTも直訳すると『致命的な接触』となるので、ゴウゴンがシウティンや組織の人たちに接触したのが命取りだったと考えれば的を得ています。
拳陣の方についてはよく分かりません笑
映画【拳陣 FATAL CONTACT】の感想を簡潔に

ウー・ジンを始めとした出演陣の卓越したアクションは言うことなし。
しかしストーリーが全体的に暗く凝ったものとはいえないので、アクション映画好き以外は少し微妙かもしれません。
蹴り技がスゴイ映画といえば過去に紹介した『超級護衛 スーパーボディガード』も面白いです、コチラの映画の方が2017年と新しく拳陣よりも万人受けかもしれません。
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本ページの情報は2019年10月16日時点のものです。配信が停止されている場合もあるので、最新の配信状況はAmazonプライムビデオサイトにてご確認ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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