この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。
- 日本公開
- 2018年
- 原題
- 『Wonder』
- 時間
- 113分
- 監督
- スティーブン・チョボスキー
- 主要キャスト
- ジェイコブ・トレンブレイ/ジュリア・ロバーツ/オーウェン・ウィルソン/イザベラ・ヴィドヴィッチ/ダニエル・ローズ・ラッセル/ノア・ジュプ/ミリー・デイヴィス/エル・マッキノン/ブライス・ガイザー/マンディ・パティンキン/ダヴィード・ディグス/アリ・リーバート/ナジ・ジーター/ソニア・ブラガ/カイル・ハリソン・ブライトコフ/ウィリアム・ディッキンソン/ジェームズ・ヒューズ/タイ・コンシリオ
※以下ではネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください!
予告動画
今までこのブログで紹介した映画の中には子どもが主人公のものがいくつかあったのですが、揃って良作でした。そして本作も例外ではなく素晴らしい作品でした。



お父さん役のネドヴェドみたいな人どこかだ見たことあるな~と思っていたのですが、『シャンハイ・ヌーン』や『シャンハイ・ナイト』でジャッキーとコンビを組んでいたオーウェン・ウィルソンでした、まさかこんな所で再会するとは思わず驚きました。
一方のお母さん役はジュリア・ロバーツと豪華な顔ぶれの本作、元々は小説が原作でそれを映画化したものとなります。
病気を患って生まれ一度も学校に通えていなかった10歳の男の子が、初めて学校に通い始めることで巻き起こる出来事を感動的に描いた映画『ワンダー 君は太陽』です。
映画【ワンダー 君は太陽】の簡単なあらすじ
遺伝子の疾患で普通の子とは違う顔で生まれてきた少年オギー・プルマンは10歳になるまでに27度に渡る整形手術を受けたものの、依然としていびつさが残っていた。
そんなオギーは度重なる手術や入退院を繰り返していたため学校に通うこともままならず自宅学習しか出来ずにいたが、5年生は中等部1年目で新入生も多くいることから父親であるネートの反対を押し切り母親のイザベルはオギーを学校へ通わせることに。
学校が始まる直前の夏休み、イザベルに連れられて学校見学に行くことになったオギーはトゥシュマン校長先生からの歓迎を受けた後にあらかじめ控えさせていた3人の生徒ジャック・ジュリアン・シャーロットから校内を案内してもらうことになったのだが、初めて見るオギーの顔に動揺しているような表情を浮かべる。
想像していた通りの反応を見せる子どもたちにうんざりしながらも案内を受けるオギー。果たして彼は学校、そしてクラスメイトとたちに馴染み楽しい学校生活を送ることは出来るのだろうか…
オギーだけでなく家族・友人視点も描かれ誰もが主人公に
本作の主人公はオギーですがそれ以外にも彼を取り巻く様々な人物の内情が描かれていて、思春期に誰もが一度は抱えたであろうという悩みにぶち当たる彼らに共感を覚える人は少なくないのではないかと思います。
オギー・プルマン
オギーの場合はやはりその容姿から来るイジメです、本作ではこのイジメが割と大きなテーマとなっています。自分とは違う容姿の子を異端とし好奇の眼差しで見つめ、迫害しようとする様は日本とアメリカではさして変わりはありません。
©2018 Wonder/ワンダー 君は太陽より引用
イジメの中心的人物はスクールカースト上位にいるお金持ちのジュリアン、ドラえもんでいうところのスネ夫ですね。彼とその取り巻きのからかいや裏切りをや受けることでオギーはクラスから次第に孤立してしまいます。
©2018 Wonder/ワンダー 君は太陽より引用
それでも手を差し伸べ味方になってくれる人は必ず現れ、オギーは学校生活の中で様々なことを経験して成長していくのです。
©2018 Wonder/ワンダー 君は太陽より引用
ヴィア・プルマン
オギーの姉であるヴィアの視点からも物語は描かれています。
昔から病気がちのオギーの世話で慌ただしかった両親を見てきたヴィアは、負担をかけたくないのかいつしか手のかからない良い子に成長します。それでもまだ高校生になったばかり、心の中では自分を見てもらえない寂しさや孤独を感じています。
ヴィアの心情を知っていたおばあちゃんは世界中で一番好きなのはヴィアだと彼女の全てを受け入れてくれる優しい言葉を投げかけてくれますが、そんなおばあちゃんも今では天国に旅立ってしまいました。
©2018 Wonder/ワンダー 君は太陽より引用
幼稚園からの親友であるミランダとも夏休みが開けてからは何だかぎくしゃく。派手な髪色に染め別な友人とつるむようになっていて、数少ない心のよりどころも無くなってしまいます。
©2018 Wonder/ワンダー 君は太陽より引用
しかしふとしたことがきっかけで演劇好きのジャスティンと知り合ったことから彼女の中で何かが変わり始めていくのです。
ジャック・ウィル
最初はトゥシュマン校長先生の頼みだからという理由だけでオギーと関わっていましたが同じ時間を過ごす中で次第にオギーと仲良くなっていくジャック、しかしハロウィン当日の学校で2人の関係にヒビが入ってしまいます。
©2018 Wonder/ワンダー 君は太陽より引用
その理由はオギーが仮装していて近くにいるとも知らずにジャックがジュリアンたちのオギーをバカにするかのような発言に同調し、悪口を言ってしまったからです。
ヒエラルキーの頂点にいるジュリアンたちに反発すればイジメやからかいの標的になることも考えられるためオギーがいない今なら言っても大丈夫だろうと思ったのかは定かではありませんが、これがきっかけでオギーはジャックを避けるようになります。
悪気は無かったとはいえ後になってそのことに気が付くジャック、オギーともう一度笑い合うために取った彼の行動は僕は本作で一番共感したかもしれません。
©2018 Wonder/ワンダー 君は太陽より引用
ミランダ
ヴィアがミランダのことで悩んでいたように、ミランダもまたヴィアのことで悩んでいました。
昔から家族ぐるみの付き合いでオギーのことを本当の弟のように可愛がる優しい心の持ち主でしたが、心のどこかではそんなオギーたちの家族を羨ましがっている様子。
©2018 Wonder/ワンダー 君は太陽より引用
なぜなら仲良しなプルマン一家とは対照的にミランダの両親は離婚してしまったからです、心が荒んでしまった母親と一緒にいるのがいたたまれなくなったミランダは逃げるようにサマーキャンプに参加します。
憧れや羨望の感情を抱いていた人気者のヴィアになりきることでミランダ自身もキャンプ1の人気者になりますが、ヴィアを利用したことによる後ろめたさからか夏休みが明けてからは以前と同じように振る舞えなくなり壁が出来てしまうのです。
それでも紆余曲折を経ながら2人または最高な親友同士に戻ります。
このように主人公のオギーだけにスポットを当てるのではなくオギーを取り巻く人物たちにも同じくらい濃いストーリーが展開されます、中でも僕はジャックとミランダのエピソードにシンパシーを感じちょっと泣きそうになりながら観ていました笑
Ⅴ系の歌詞が意外なほどにマッチする
派手な髪形や奇抜なメイク・衣装などでお馴染みのV(ヴィジュアル)系バンド。
感動的な本作とは似ても似つかないですが、僕が学生時代から好きな【アンティック⁻珈琲店-】と【メガマソ】という2組のV系バンドの歌の歌詞が本作と合っていてそれが自然と頭の中で脳内再生されてビックリしました。
今では両バンドとも解散してしまいましたが、PVとマッチする歌詞を載せておくので興味のある方は聴いてみてください。
アンティック⁻珈琲店-
スマイル一番イイ♀(女)
本作を観ながら真っ先に思い出したのがこの歌、2006年に発売された通算10枚目のシングルです。
この歌はオギーとミランダのことを歌っているように思えました、特にそれを表しているのが以下の歌詞。
キレイなあの娘に嫉妬をしてる
あの娘みたいに生まれ変われたら
人生少しは違ってたかもね なんてmistakeな考えで
派手な化粧にネイルなんかして
イケテル女になった気でいても
何か違うって気疲れをして
嘘を吐くのも嫌でしょ?
笑う事を恐れず 勇気を持てた君だけに
「頑張ったね」と伝えてあげたいよ
人とは違う容姿に苦しみ普通の子になりたいオギーと人気者のヴィアに嫉妬し彼女のようになりたいと思うミランダの気持ちや、勇気を持ち一歩踏み出すことで抱えていたそれぞれの問題や壁を越えていく様とこの歌詞はとてもマッチしています。
Bonds 絆
スマイル一番イイ♀の1つ前に発売された通算9枚目のシングル、これはオギーとジャックのことについて歌っているように思えてきます。
人はキズつけ キズつけられて
初めて痛みが理解ってくんだね
長い沈黙 続いていくほど 1人が怖いと感じてくんだね
Ah 絆がほどけてゆくことなんて 案外 簡単なものかもね
Ah ほどけた絆を結ぶことは 意外と難しい
決断をした時に踏み込めないなんて
一番ダサいことはやめましょう
オギーの初めての友達となったジャックはたった一言の過ちでその関係性にヒビを入れてしまいます、仲良くなるのには時間を要しますがその関係性が崩れるのは時にあっけないのです。
知らず知らずの内にオギーを傷付けてそのことに気が付くまでモヤモヤした日々を過ごすジャックは後にそのことに気が付き、オギーを守るためいけないことだと分かっていながらもジュリアンに歯向かいます。その様とこの曲がとても当てはまりました。
メガマソ
みなづき、みっそう
TVアニメ『メジャー第6シーズン』でエンディングを歌っていた僕の一番好きなバンド、メガマソが2008年に配信限定でリリースしたこの曲は上記2曲よりはマッチ度は低いもののヴィアの気持ちを代弁しているかのように思えました。
ねえ、どこが好きなの。って質問はね。
甘く、白く、輪郭をぼやかした声だけよくて。
あまり聞きたくなかった。
答えに、窮する私を平然と見て、何を思ってたの。
劇中でヴィアが言うセリフの中に「オギーは太陽、ママとパパと私はその周りの惑星。」という一節があります、人物を惑星として捉えてる部分はドンピシャです。
またオギーのことで手一杯で自分に目を向けられていない寂しさとこの歌の歌詞もどことなく似通っていると思いました。
ちなみにスマイル一番イイ♀の最後も人物を太陽に例えているのでそちらも意外とマッチしているかもしれません。
映画【ワンダー 君は太陽】の感想を簡潔に

繰り返し観ても共感して涙腺が緩むポイントが散りばめられ、最後にはきっと観た人の多くが笑顔になれる良作。
コロナウイルスで休校になった子どもたちにも是非とも観てもらいたい1本です。
映画【ワンダー 君は太陽】を無料で視聴するには?
現在 ワンダー 君は太陽はいくつかの動画配信サービスで視聴することができますが、オススメなのはAmazonプライムビデオ。実際に僕もプライムビデオで視聴しました。
プライム会員になれば映画以外にもアニメやドラマなといった動画が見放題になるばかりだけでなく、音楽や本なども無料で楽しむことができます。
またAmazonで買い物をする人であれば配送料が無料になるといったメリットもあります。
それだけなく30日の無料体験もしているのでまずは1か月試してみて、必要なければ1ヶ月以内に解約すれば追加料金がかかることはありません。
本ページの情報は2020年3月18日時点のものです。配信が停止されている場合もあるので、最新の配信状況はAmazonプライムビデオサイトにてご確認ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
コメント